中等度狭窄冠動脈の血行再建術で、vFFRガイドはFFRガイドに非劣性:FAST III試験
Angiography-Based Physiology to Guide Coronary Revascularization
背景
ガイドラインは、冠動脈中等度狭窄(intermediate coronary lesions)の血行再建術における生理学的評価ガイドを推奨している。
オランダErasmus University Medical CenterのDaemenら(FAST III)は、圧ワイヤ・充血薬不要で3次元定量的冠動脈造影(3D QCA)から算出する造影ベース冠血流予備量比(vFFR)ガイドによる血行再建術が、従来の圧ワイヤベースのFFRガイドによる血行再建術に対し非劣性であるという仮説を検証するRCTを、欧州37施設で実施した(n=[vFFR]1,116); [FFR]1,095)。
一次エンドポイントは、1年後の全死因死亡・全心筋梗塞・全血行再建術の複合とした。
結論
vFFRのFFRに対する一次エンドポイント非劣性が示された:ともに7.5%。病変の血行再建施行率はvFFR群が45.0%でFFR群の36.0%より高かったが、1年時点の全死因死亡率・心筋梗塞発生率は両群同等であった。
評価
低侵襲なワイヤレス生理学的評価の意義を確立して、ガイドライン変更をせまるゲームチェンジャー研究である。vFFR群では手技時間が約5分短縮され、術中合併症率も減少した(3.7% vs. 6.0%)、という。
一方、vFFR群で血行再建率が9%上昇した背景には病変の過大評価や治療閾値の変動の可能性が否定できない。また、低リスク・低複雑度症例への偏り、試験の欧州熟練施設への偏り、追跡期間の短さ(1年)、非劣性マージンの緩さ等の制約も存在する。


