小児敗血症性ショックでのバランス輸液は無益か:PRoMPT BOLUS試験
Balanced Fluid or 0.9% Saline in Children Treated for Septic Shock

カテゴリー
救急医療、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
April 2026
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背景

生理食塩水の輸液は、高いCl負荷から代謝性アシドーシスや急性腎障害などを引き起こすのではないか、という仮説に基づき、多くの臨床試験が緩衝/バランス晶質液との比較検証を行ってきた。
アメリカChildren's Hospital of PhiladelphiaのBalamuthら(PRoMPT BOLUS)は、世界5ヵ国47の救急外来で、敗血症性ショックが疑われる灌流異常の小児患者(2ヵ月から18歳まで)を、バランス晶質液または0.9%生理食塩水による輸液蘇生(最大48時間)へと割り付け、30日以内の主要有害腎イベント(死亡, 新規の腎代替療法, 持続性腎機能障害; MAKE30)を比較する実用的RCTを実施した(n=9,041)。

結論

MAKE30は、バランス晶質液群の3.4%、生食群の3.0%に発生した(リスク比 1.10)。
登録後28日間の入院不要日数は、両群とも中央値23日であった。高クロール血症はバランス晶質液群の31.4%、生食群の49.0%で、高ナトリウム血症はそれぞれ1.8%、3.1%で、高乳酸血症はそれぞれ19.8%、16.7%に発生した。その他の安全性アウトカム・有害事象に群間差は認められなかった。

評価

成人でのメタ解析は、バランス晶質液は死亡率を下げる可能性が高いが、効果量はごく小さいとしており(https://doi.org/10.1016/S2213-2600(23)00417-4)、ガイドラインの扱いも弱い推奨・提案に留まっている。
敗血症性ショック疑いの小児を対象とした本試験では、生食の生化学的デメリットも認められたものの、MAKE30についてのバランス晶質液のベネフィットはみられなかった。小児敗血症に関して、バランス晶質液を推奨する根拠は非常に弱まったと考えられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)