多臓器転移を有する大腸がん患者での緩和化学療法に腫瘍減量術を追加すべきではない:ORCHESTRA試験
Tumor Debulking in Combination With Chemotherapy in Multiorgan Metastatic Colorectal Cancer: The ORCHESTRA Randomized Clinical Trial
背景
腹膜播種を有する大腸がんに対する腫瘍減量手術(±腹腔内温熱化学療法)は、日本では一般的ではないものの、欧米を中心に選択された患者での長期生存を得る治療として発展してきた。では、多臓器転移を有する大腸がんに対しても、局所治療による腫瘍の減量は有効だろうか。
オランダRadboud University Medical CenterのGootjesら(ORCHESTRA)は、オランダ・イギリスの28施設で、多臓器転移を有し、切除・放射線治療・熱凝固療法によって80%以上の腫瘍減量が見込まれる大腸がん患者を対象とした多施設RCTを行い、一次緩和化学療法後に客観的奏効・病勢安定が得られた患者を、化学療法継続または腫瘍減量後の化学療法へと割り付け、全生存期間を比較した。
結論
登録患者454名のうち、382名がランダム化を受けた。
全生存期間(中央値)は、化学療法単独群で27.5ヵ月、腫瘍減量術群で30.0ヵ月と有意な差は認められなかった(ハザード比 0.88)。無増悪生存期間(中央値)はそれぞれ10.4ヵ月、10.5ヵ月であった(0.83)。
重篤有害事象は腫瘍減量術群で増加した(39% vs. 53%)。
評価
多臓器転移例での腫瘍減量は、生存期間を延長せず、重篤有害事象を増加させた。
一方で、サブグループ解析の結果は80%以上の腫瘍減量に成功したグループで生存期間が改善される可能性を示唆しており、腫瘍減量が有益な集団が存在する可能性は排除できない。


