COVID-19パンデミックはがん死亡率を悪化させた:アメリカ
Survival of Patients Diagnosed With Cancer During the COVID-19 Pandemic

カテゴリー
がん
ジャーナル名
JAMA Oncology
年月
April 2026
12
開始ページ
356

背景

新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックでは、当初から一般個人のがん検診・受診行動が障害され、これと並行するような新規がん診断件数の減少がみられており、診療プロセスの混乱とも併せて、将来的にがんアウトカムの悪化が現れるのではないかと指摘されてきた。
アメリカUniversity of KentuckyのBurusらは、Surveillance, Epidemiology, and End Results 21 Registries(SEER-21)データベースにおいて、2015年から2021年に浸潤がんの診断を受けた個人を対象とした集団ベースコホート研究を行い、2020〜2021年に診断された患者(n=1,008,012)の病期ごとの1年特異的生存率を、それ以前の期間に診断された患者(n=2,471,372)と比較した。

結論

1年がん特異的死亡率をパンデミック前と比較すると、限局期での診断例では2020年診断患者で−0.44パーセントポイント、2021年診断患者で-0.27パーセントポイント、後期診断例ではそれぞれ-1.34パーセントポイント、-1.20パーセントポイントの有意な絶対低下が認められた。
これにより、パンデミックの最初の2年で、診断1年以内のがん関連死亡が予測よりも17,390件(13.1%)増加したと推定される。
部位ごとの生存率についても食道がん、大腸がん、前立腺がんの限局期診断において有意な低下が認められた。

評価

パンデミック初期に新規診断されたがん患者では、特異的生存率の有意な低下が認められた。がん診療プロセスの撹乱が、検診・診断件数の一時的低下に留まらなかったことをデータとして示すものである。
次の危機においてこうした間接的死亡を引き起こさない制度をどのように設計するかは、公衆衛生の大きな宿題である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)