高齢者で大腸内視鏡検診を行う意義は?
Colorectal Cancer and Mortality Risk Among Older Adults With vs Without Adenoma on Prior Colonoscopy

カテゴリー
がん、Top Journal
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
April 2026
335
開始ページ
1499

背景

大腸内視鏡検診は高齢になるほどベネフィットが小さくなるため、アメリカのガイドラインは76歳以降での継続実施を個別の選択に委ねている。一方、adenoma歴のある個人は平均よりも大腸がんリスクが高いと考えられ、サーベイランス継続の判断は単純ではない。
アメリカVA San Diego Healthcare SystemのGuptaらは、アメリカ退役軍人省において、2006年から2019年に75歳未満で大腸内視鏡検査を受けた高齢者(n=91,952)を対象とした後向コホート研究を実施し、過去の大腸内視鏡検査におけるadenoma検出が大腸がん発症・大腸がん死亡・全原因死亡リスクにもたらす影響を評価した。

結論

対象となった高齢者のうち、27.8%にはadenoma歴があった。
10年間の追跡期間中の累積大腸がん発症率は、adenoma群で1.1%、非adenoma群で0.7%であり、累積大腸がん死亡率はそれぞれ0.5%、0.4%であった。
これに対して大腸がん以外の死因による累積死亡率は46.9%から48.4%の範囲であった。Adenoma群での大腸がん以外の死因による死亡率は、大腸がん死亡率よりも大幅に高く、フレイルのない個人でも34.2%、重症フレイル患者では82.0%に上った。

評価

Adenoma歴を有する高齢者において大腸がん死亡リスクの上昇幅はサーベイランスの継続を正当化するほど大きいのか、という問題に焦点を当てた研究で、大腸がん以外の死因による死亡リスクと比べると、大腸がん死亡リスクが非常に小さいことを明らかにした。
サーベイランスを自動的に継続するのではなく、adenomaのがん化リスク、その他の競合リスク、患者の選好を総合的に勘案すべきことを強調するデータといえよう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)