セマグルチドのアルコール使用障害への転用は有望:第2相試験
Once-weekly semaglutide versus placebo in patients with alcohol use disorder and comorbid obesity: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial

カテゴリー
生活習慣病、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
May 2026
407
開始ページ
1687

背景

GLP-1受容体作動薬セマグルチドは報酬系に作用して飲酒欲求を抑える可能性がある。
デンマークMental Health Centre CopenhagenのFink-Jensenらは、肥満を合併した治療意欲のあるアルコール使用障害(AUD)患者108名を対象に、週1回のセマグルチド投与が飲酒量および身体的転帰に及ぼす影響を検証する第2相試験を行った(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、26週間の介入後に評価した多量飲酒日数(HDD)の減少であった。

結論

セマグルチドの一次アウトカム効果を認めた:ベースラインから41.1ポイント減(プラセボ: 26.4ポイント減)。飲酒量・酒渇・体重(11.2kg減 vs. 2.2kg減)にも改善がみられた。WHOの飲酒リスクレベルを2段階下げるために必要な治療人数(NNT)は4.3であった。

評価

「食べたい」と「飲みたい」とが類似の報酬系作動現象であることから期待されていた効果を、中規模RCTで確認した。ここでの効果幅は、既存のFDA承認薬を上回る可能性があり、有望である。ただし、承認は大規模第3相結果を待つとみられ、消化系副反応や個々の表現型による反応性の違い(ノンレスポンダーの存在)等が検討される。また、体重減少と飲酒量減少の間に相関が認められたため、この効果が肥満を伴わない患者にも適用できるかは現時点では不明である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)