閉経前ER陽性乳がんでの卵巣機能抑制は長期再発・死亡リスクを低減する:メタ解析
Effects of ovarian ablation or suppression on breast cancer recurrence and survival: patient-level meta-analysis of 15000 women in 23 randomised trials

カテゴリー
がん、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
May 2026
407
開始ページ
1699

背景

閉経前のエストロゲン受容体(ER)陽性乳がん女性では、卵巣摘出術あるいは放射線照射、最近ではGnRHアゴニスト(ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト; LH-RHアゴニスト)による薬理学的な卵巣機能抑制(ovarian function suppression; OFS)が検討されてきた。
Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Group (EBCTCG)は、ランダム化時点で閉経前、かつ55歳未満のER陽性/不明早期乳がん女性を対象としてOFSと非OFSを比較したRCTを特定し、患者個別データを用いて浸潤性乳がん再発・乳がん死亡・その他死亡・全原因死亡を評価するメタアナリシスを実施した。

結論

適格となった25件の試験のうち、23件からデータセットが提供され、これはランダム化された女性19,053名のうち98.9%(18,851名)を含んでいた。
閉経前女性(n=15,075)において、OFSは再発率を有意に低下させた(イベント率比0.82)。化学療法後に閉経前であることが確認された女性ではより大きな低下が認められた。
閉経前女性を対象に行われた、タモキシフェン非投与の古い試験では再発率の低下が大きかったが(0.61)、タモキシフェンを併用した近年の試験では効果がより小さかった(0.79)。また、これら近年の試験におけるOFSによる再発率低下は、45歳未満の女性で大きい傾向があった(0.73 vs. 0.95)。ただし、乳がん死亡率の改善は同様に認められた(0.74)。

評価

化学療法自体が卵巣機能に影響するため、化学療法終了時の閉経ステータスを考慮しないとOFSの真の効果が希釈される可能性があり、このことがOFSの効果判定を難しくしている。
本解析ではランダム化時点で閉経前を対象とし、化学療法後の閉経ステータスで層別化することで、乳がん再発を抑制するOFSの効果を確実にした。長期かつ患者個別データによって、高リスク患者を中心にOFS追加を推奨する現行ガイドラインを追認するメタアナリシスである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)