うつと心血管疾患との間には確実に「軽度の関連」がある
Association Between Depressive Symptoms and Incident Cardiovascular Diseases
背景
うつと心血管疾患(CVD)との関連が示唆されているが、決定的結論はない。University of Cambridgeの Harshfieldらは、22前向コホート研究(n=563,255)データに基づき、この関連を検討した。主要アウトカム・指標は、致死的/非致死的冠性心疾患(CHD)発生・脳卒中・CVDである。
結論
Emerging Risk Factors Collaboration(ERFC)の21コホートで、うつ病スコア1SDあたりの諸因子調整後HRは、CHDが1.07、脳卒中が1.05、CVDが1.06であった。このような軽度の関連は、UKBiobankコホートでも見出された。
評価
長く示唆されてきている関連で、レビューもある(https://academic.oup.com/eurheartj/article/35/21/1365/582931)。この研究は多研究のプール化解析としては最大規模のものである。「軽度の関連がある」ことは確実といえ、関連メカニズムの確定が課題となる。