中等症脳梗塞でチカグレロル+アスピリンによる早期DAPTが効果示す:TAPIS試験
Ticagrelor with aspirin dual antiplatelet therapy combined with intravenous thrombolysis in patients with ischaemic stroke in China (TAPIS): a multicentre, double-blind, randomised controlled trial
背景
非重症急性脳梗塞・高リスク一過性脳虚血発作(TIA)に対しては、抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の有効性が示唆されているが、静注血栓溶解療法(IVT)を受ける患者での早期抗血小板療法は、ARTIS試験が安全性の懸念から早期中止されて以降、位置付けが確定していない。
中国Capital Medical UniversityのWangら(TAPIS)は、同国60施設の、NIHSSスコアが4〜10で、IVTを受ける虚血性脳卒中患者に対し、発症6時間以内の経口アスピリン+チカグレロル(DAPT群)、または対応プラセボ(対照群)の投与を割り付け、90日時点での機能的良好アウトカム(修正ランキンスケールが0〜1)を比較するRCTを実施した(n=1,382)。
結論
90日時点での機能的良好アウトカム率は、DAPT群で68.7%、対照群で62.0%と、DAPT群で有意に改善した(リスク比 1.11)。
36時間以内の症候性頭蓋内出血は、DAPT群の0.9%、対照群の0.7%で発症した(リスク比 1.20, 非有意)。
評価
ガイドラインでは血栓溶解療法後24時間以内には抗血小板薬を投与しないこととされていたが、本試験ではIVT後早期のDAPTによりアウトカムが有意に改善した。明確な安全性シグナルも認められなかった。
適切に選択された患者で早期抗血小板療法が成立しうることを示し、後続の検証に十分な動機付けを与える有望結果である。


