HER2変異肺がんでの経口TKIゾンゲルチニブ、一次治療でも有望:LUNG-1試験
First-Line Zongertinib in Advanced HER2-Mutant Non-Small-Cell Lung Cancer
背景
HER2異常は非小細胞肺がん(NSCLC)の2〜4%ほどでみられるが、これまで承認された抗HER2標的治療は二次治療以降でのトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)に限られていた。経口チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)ゾンゲルチニブはHER2を選択的に阻害することで、既存薬で問題とされていたEGFR関連毒性の抑制が可能と考えられており、第1a/1b相マルチコホート試験(Beamion LUNG-1試験)の既治療コホートでは客観的奏効71%、奏効持続期間14ヵ月、間質性肺炎は1件もなしという有望な結果を示している(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2503704)。
アメリカUniversity of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのHeymachらは、同試験の未治療患者コホート(コホート2, n=74)における客観的奏効率、その他の二次エンドポイントについて報告し、さらに活動性脳転移を有する患者を対象とした探索的コホート4(n=30)についても評価を行った。
結論
コホート2の客観的奏効率は74%、奏効持続期間(中央値)は15.2ヵ月、無増悪生存期間(中央値)は14.4ヵ月であった。
有害事象は99%の患者で発現し、グレード3以上の有害事象は45%で発現した。治療関連有害事象は91%、グレード3以上のものは19%で発現した。
コホート4における頭蓋内奏効率は47%であった。また、このコホートにおけるグレード3以上の治療関連有害事象は17%に認められた。
評価
ゾンゲルチニブは日本でも2025年、化学療法後増悪患者を適応として承認されているが、HER2変異肺がんの一次治療においても高率で持続的な奏効を示した。
現在、標準治療との比較を行う第3相Beamion LUNG-2試験(NCT06151574)のほか、術後補助使用を検証する第3相Beamion LUNG-3試験(NCT07195695)、他剤との併用を検証する第1/2相Beamion BCGC-1(NCT06324357)も進行中である。


