LMCA疾患にはPCIかCABGか:EXCEL論争は死亡エンドポイント論争に
Overall and Cause-Specific Mortality in Randomized Clinical Trials Comparing Percutaneous Interventions With Coronary Bypass Surgery: A Meta-analysis
背景
LMCA(左冠動脈主幹部)疾患に関するEXCEL試験結果の発表後、PCIとCABGの優劣問題は論争が続いており、その一つの焦点は死亡エンドポイントである。Weill Cornell MedicineのGaudinoらは、この問題を扱った23 RCTを対象として、全原因死亡と心血管因死亡の差異を比較するメタアナリシスを行った(n=13,620)。一次アウトカムは、両死亡である。
結論
CABGと比較してPCIは、全原因死亡(発生率比1.17)および心臓因死亡(発生率比1.24)の発生率が高いだけでなく、非心臓因死亡(発生率比1.19)も高かった。
評価
EXCEL結果(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27797291/)をめぐる論争には周術期MIの問題もあるが、MACEか死亡か、更には全原因死亡か心血管因死亡か、というエンドポイント問題が焦点化されてきた。この論文の明示的結論は、エンドポイントは全原因死亡がよい、ということだが、「CABGの方がよい」という示唆を伏在させている。