猛暑は都市部高齢者の救急受診と関連 社会格差も:アメリカ
Extreme Urban Heat and Emergency Department Visits in Older Adults
背景
猛暑・酷暑日には救急受診リスクが増加することが知られているが、どのような社会集団がより大きなリスクにさらされているのか。
アメリカNew York University Grossman School of MedicineのSiauらは、ニューヨーク市の地理的に近い2ヵ所の救急外来、人種・民族的マイノリティのメディケイド加入患者を中心とした施設(ED-1)と、白人の民間医療保険加入患者を中心とした施設(ED-2)において、最高体感気温(maximum heat index)と65歳以上の救急外来受診件数との関連を検討した。
結論
全体で55,200件の救急外来受診が含まれ、ユニーク数ではED-1に15,092名、ED-2に19,559名の患者が含まれた。ED-1の患者ではヒスパニック系の割合が高く(23.5% vs. 13.2%)、メディケイド加入者の割合が高かった(8.8% vs. 4.2%)。
ED-1では、最高体感気温と救急受診の関連は66 °F(18.9 °C)を超えると増加し(オッズ比 1.10)、101 °F(38.3 °C)でピークとなった(オッズ比 1.24)。最高体感気温が平均より15 °Fから18 °F (8.3 °Cから10.0 °C)高いとさらに増加した。
一方、ED-2では最高体感気温と救急受診との関連は有意ではなく、最高体感気温が平均より16 °F(8.9 °C)以上高い日に有意な負の関連が認められた。
評価
気候変動に伴い夏季の猛暑は過酷さを増しており、健康への悪影響をどのように最小化するかは大きな公衆衛生課題である。
本研究では、気温と受診数との関連が認められたのは2つの施設の片方のみであり、著者らはこれを社会的に脆弱な集団がより大きな影響を受けたと解釈しつつ、熱中症アラートの閾値の最適化を論じている。


