網膜中心動脈閉塞への早期アルテプラーゼ静注は効果示せず:THEIA試験
Intravenous alteplase versus oral aspirin for acute central retinal artery occlusion within 4・5 h of severe vision loss (THEIA): a multicentre, double-dummy, patient-blinded and assessor-blinded, randomised, controlled, phase 3 trial
背景
網膜中心動脈閉塞(CRAO)は急性虚血性脳卒中のサブタイプとして扱われ、早期の血栓溶解療法の有効性が示唆されているが、ランダム化比較試験で確認された例はない。
フランスNantes University HospitalのPréterreら(THEIA)は、同国16ヵ所の脳卒中ユニットを有する施設で、突然発症した重度の単眼視力喪失(発症4.5時間以内)により、非動脈炎性急性CRAOが疑われる成人患者に対し、静注アルテプラーゼ(0.9 mg/kg)または経口アスピリン(300 mg)をダブルダミーで割り付け、1ヵ月時点での0.3 logMAR以上の視力改善を比較する第3相RCTを実施した(n=70)。
結論
0.3 LogMAR以上の視力回復は、アルテプラーゼ群の66%、アスピリン群の48%で認められた(調整オッズ比 1.1)。
アルテプラーゼ群では治験薬に関連する無症候性頭蓋内出血が1件報告された。治験薬と関連しない重篤有害事象は、アルテプラーゼ群の17%、アスピリン群の14%で発生した。
評価
CRAOは自然に視力回復することは少なく、急性期治療が重要と考えられているが、最適解は依然固まっていない。本試験では、アルテプラーゼ群で数値が良好な傾向はみられたものの、有意な差は示されなかった。
テネクテプラーゼを検証したTenCRAOS試験(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2508515)もネガティブ結果となっているが、サンプルサイズは本試験と同様70人ほどであり、検出力不足が指摘されていた。現在、最大400名超を予定するREVISION 試験(NCT04965038)が進行している。


