ノット・ワイルド・スピード:電動キックボードによる神経外科外傷が増加中
The Fast and the Fragile: Neurosurgical Trauma in the Age of Micromobility
背景
電動自転車や電動キックボードなどの電動マイクロモビリティは、都市部を中心に生活風景の一部として定着した感があるが、レンタルプラットフォームを通じた利用拡大とともに関連する外傷も増加傾向にある。
アメリカNYU Langone HealthのWeissらは、2018年から2023年にニューヨークのレベル1外傷センター、Bellevue Hospital Centerを受診したマイクロモビリティ関連外傷患者(n=914)を対象とした後向コホート研究を行い、受傷機転、患者背景、受傷パターン、関連する臨床アウトカムを比較検討した。
結論
マイクロモビリティ関連外傷は、外傷による入院の6.9%を占めた。マイクロモビリティ関連外傷の件数と電動マイクロモビリティが関連する割合は経時的に増加し、2023年には55.1%が電動マイクロモビリティ関連であった。
最も一般的な受傷機転は車との衝突であり(49.9%)、ついでマイクロモビリティからの転落(33.8%)、マイクロモビリティによる歩行者への衝突(7.5%)、マイクロモビリティ同士の衝突(7.0%)が続いた。ヘルメットの着用率は31.7%と低かった。アルコール検査を受けた患者のうち、20.4%は酩酊状態であった。時間帯では午後6時から9時の間にピークを迎え、午前1時にも小さなピークがみられた。
患者の68.7%は入院を必要とし、30.2%は集中治療を必要とした。入院期間は中央値3日であった。大半の患者(89.5%)は帰宅可能であったが、1.2%は死亡した。
衝突された歩行者は臨床アウトカムが悪く、特に電動マイクロモビリティに衝突された場合に顕著であった。
評価
電動のマイクロモビリティによる外傷は増加傾向にあり、外傷性脳損傷や集中治療室の利用、手術介入の増加など、神経外科領域での無視できない負担を引き起こしていた。
被害は利用者本人だけでなく、歩行者にも及んでおり、インフラの整備、利用者の教育、規制が急務となる。


