新規ミオシン活性化薬omecamtiv mecarbilの心不全イベント抑制効果を示す:GALACTIC-HF
Cardiac Myosin Activation with Omecamtiv Mecarbil in Systolic Heart Failure
背景
Omecamtiv mecarbilは、ミオシンに結合して心筋収縮力を増強させることを企図する新規心不全薬である。San Francisco Veterans Affairs Medical CenterのTeerlinkら(GALACTIC-HF)は、LVEF≦30%のHFrEF患者8,256名を対象として、標準心不全治療への同薬の追加効果を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、初回心不全イベント(心不全による入院・救急受診)である。
結論
観察期間中央値21.8ヶ月で、omecamtiv mecarbilの一次エンドポイント効果を認めた(37.0% vs. 39.1%、HR:0.92)。心血管死イベントには群間差を認めなかった。24週時のNT-proBNP値はomecamtiv mecarbil群で10%低かった。心筋虚血・心室性不整脈の発生頻度に群間差はなかった。
評価
主に心筋内Ca動態に作用する従来薬と異なる作用機序で、期待されていた新薬である。一次エンドポイント効果は劇的とはいえず、一つのオプションとし採用されうるという位置づけになろう。