高リスクPCI患者に対するImpella使用は有害無益:CHIP-BCIS3試験
Left Ventricular Unloading in High-Risk Percutaneous Coronary Intervention
背景
左室機能が著しく低下した患者への複雑なPCIでは、マイクロ軸流ポンプカテーテル(Impella 2.5)の利用(Protected PCI)が有益ではないか。
イギリスSt. Thomas’ HospitalのPereraら(CHIP-BCIS3)は、左室駆出率35%以下の患者300名を対象に、その有益性を、装置を使用しない標準治療と直接比較するRCTを行った。
一次エンドポイントは、全死因死亡・後遺障害を伴う脳卒中・急性心筋梗塞・心血管疾患入院・周術期心筋損傷の階層的複合である。
結論
一次エンドポイントにおいて、Impella群は標準治療群に対して優越性を示せなかった(勝率比 0.85)。24ヵ月時点の全死因死亡率はImpella群32.6%に対し標準治療群23.4%(HR 1.54)であった。
評価
主流化する気配のあった「高リスクなら念のためImpellaを」という考え方を否定する衝撃的な結果である。Impella使用支持の2024エビデンス(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2312572)は、真の緊急救命適応に関するものであり、CHIP-BCIS3のような予防的使用に関するものではない。特に本試験における24ヵ月時点での死亡リスクの高さは、高リスクPCIにおけるImpella使用のスタンダード化に再考を迫る。


