最大のメタアナリシスで75歳以上患者へのLDL-C低下治療の有益性を確認
Efficacy and safety of lowering LDL cholesterol in older patients: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials
背景
高齢患者に対するLDL-C低下治療の是非に関する研究が蓄積されている。TIMI Study GroupのBaris Gencerらは、この問題を主題として行われた29 RCTの系統レビュー・メタアナリシスを行った(n=244,090)。
結論
LDL-C低下は高齢患者の主要血管イベントリスクを低減し(LDL-C1 mmol/L低下あたりRR:0.74)、その効果に75歳未満患者への効果と有意差はなかった。スタチンと非スタチン治療の間に、高齢患者でのRRに差はなかった。この効果は、心血管死(0.85)・心筋梗塞(0.80)・脳卒中(0.73)・冠動脈血行再建術施行(0.80)リスクの低減を含んでいた。
評価
Lancetは同主題を健常者集団で扱ったデンマークの大規模コホート研究の結果を併載しており(https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)32233-9/fulltext)、公衆衛生政策としての高齢者LDL-C低減の大規模推進を後押ししている。