心筋梗塞後1年経過した安定患者ではβ遮断薬は中止できる:SMART-DECISION試験
Discontinuation of Beta-Blocker Therapy after Myocardial Infarction
背景
心筋梗塞後のβ遮断薬長期投与は、心不全や左室収縮機能障害(LVEF<40%)を伴う患者では標準治療であるが、血行再建術や薬物療法が進化を遂げた現代において、心機能が保持された安定期の患者に対する継続投与の意義はあるか。
韓国Sungkyunkwan UniversityのHahnらは、梗塞後1年以上経過し、LVEF40%以上で安定している患者2,540名を対象に、β遮断薬の中止が継続に対して非劣性であるかを検証するRCTを行った。
一次エンドポイントは、全死因死亡・心筋梗塞再発・心不全入院の複合であった。
結論
追跡期間中央値3.1年で、β遮断薬中止の継続に対する一次エンドポイント非劣性を認めた:推定イベント発生率は中止群7.2%、継続群9.0%(HR 0.80)。
評価
このテーマに関しては2024のABYSSが、非劣性を証明できないとしており、この韓国結果と一致しない。一次エンドポイントから、「主観的な要素が含まれる」として単なる入院を除外し、死亡・再発心筋梗塞等客観指標に絞った点が主要な差だが、中止後も心機能(LVEF)やバイオマーカー(NT-proBNP)、QOLスコアに群間差はみられていない。情勢は未だ微妙だが、適切な二次予防が行われている現代の安定患者において長期投与を中止する有力なエビデンスとなった。


