無症状重度大動脈弁狭窄症には早期手術:RECOVERY試験
Early Surgery or Conservative Care for Asymptomatic Aortic Stenosis at 10 Years
背景
無症状の重度大動脈弁狭窄症(AS)患者に対し、症状発現を待つ保存的療法と早期手術のどちらが長期的生存に有利か。
韓国University of UlsanのKangら(RECOVERY)は、重度AS(弁口面積≦0.75cm2かつ最大血流速度≧4.5m/s)の無症状患者145名を対象にこれを検証するRCTを行った。
一次アウトカムは、10年間の手術死亡または心血管死の複合エンドポイントとした。
結論
早期手術の保存的療法に対する一次アウトカム優位を認めた:ITT解析で、心血管死の発生率は早期手術群3%に対し、保存的療法群24%であった(ハザード比[HR]0.10)。全死亡率も早期手術群が保存的療法群より(0.42)、早期介入による長期的生存ベネフィットが示された。
評価
中央値32ヵ月という追跡でAVATARが出した結論(https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.121.057639)を、10年という長期追跡で確認した。早期手術群では周術期死亡が0%であり、生体弁や機械弁の長期的な劣化・合併症リスクを考慮しても、早期介入が心筋への不可逆的ダメージを回避し、生存に寄与したことは明らかである。平均63〜65歳で併存疾患の少ない患者層におけるデータである点に注意が必要で、より高齢層ではTAVRが推奨されるが、重症例でのSAVRの待機が高リスクであることは確実、といえよう。


