末梢静脈カテーテルからの昇圧剤投与は安全:メタ解析
Incidence of Adverse Events in Peripheral Intravenous Vasopressor Use: A Systematic Review and Meta-Analysis

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Network Open
年月
March 2026
9
開始ページ
e260710

背景

昇圧剤の投与は、末梢静脈(PIV)では血管外漏出による虚血・壊死の懸念があることから、中心静脈カテーテル(CVC)投与が基本とされてきたが、CVCは挿入に時間と技術を要し、気胸や感染などの合併症リスクを伴う。最近では、PIVでの有害事象はそれほど重大ではないと考えられるようになっており、PIVでの昇圧剤利用が増加してる。
台湾Chang Gung Memorial HospitalのZhangJianらは、重症成人患者に対してPIVカテーテルを介して昇圧剤投与を行い、有害事象またはCVC留置の回避について報告した研究を特定しデータを統合するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。

結論

49件が基準を満たした(カテーテルn=33,060)。
プールされた軽度有害事象の発生率は、ノルアドレナリンで2.6%、アドレナリンで0.0%、フェニレフリンで2.9%、ドパミンで1.4%、バソプレシンで0.5%、メタラミノールで0.9%であり、全ての昇圧剤を統合すると、発生率は2.3%であった。
重篤有害事象として静脈血栓塞栓症が30件発生したが、いずれもmidlineカテーテルを使用した4件の研究で発生しており(8.1%, カテーテル n=1,126)、プールされた発生率は1.4%であった。一方、ショートカテーテルを使用した43件の研究(87.8%, カテーテル n=29,596)では、重要な有害事象は1件のみ報告され(組織壊死)、プールされた発生率は0.0%であった。
CVC回避率は、38件の研究(カテーテル n=15,371)で0%から100%の範囲であり、プールされた割合は59.7%であった。

評価

このメタ解析では、PIV昇圧剤投与による有害事象はまれで、多くの患者でCVCを回避できることが明らかにされた。ただし、ミッドラインカテーテルにはショートPIVとは異なるリスクがあるようであった。
適切なモニタリングが可能であれば、PIV投与はCVC留置に代わる選択肢とみなされるようになるだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)