外傷性出血患者に対する病院前輸血は全血と成分で変わらず:SWiFT試験
Prehospital Whole Blood in Traumatic Hemorrhage - a Randomized Controlled Trial
背景
外傷性出血に対しては、病院到着前から輸血を行うことで死亡率が改善される可能性があるものの、臨床試験の結果は一貫していない。また輸血を行う場合、全血輸血か成分輸血かという問題も未決のままである。
イギリスRoyal Centre for Defence MedicineのSmithらは、イングランド10ヵ所の航空救急サービスで搬送が行われた生命を脅かす外傷性出血患者を、病院到着前に全血輸血(最大2単位)を行うグループ、または赤血球/血漿製剤輸血(それぞれ最大2単位)を行うグループへと割り付け、24時間以内の全原因死亡または10単位以上の大量輸血(複合一次アウトカム)への影響を調査する第3相非盲検ランダム化優越性試験、SwiFT試験を実施した(n=942)。
結論
非外傷性出血患者と心停止患者が除外され、616名が解析に含まれた。
一次複合アウトカムイベントは、全血群の48.7%、標準治療群の47.7%で発生した(相対リスク1.02)。
全原因死亡、大量輸血、その他の二次アウトカムとも、いずれの時点においても両群で同程度であった。重篤な有害事象は標準治療群で多く(31 vs. 37)、血栓性イベントの発生率は同程度であった。
評価
これまで全血輸血の優位性を示唆する観察研究データなども存在したが、本試験では、生命を脅かす外傷性出血患者での病院前輸血において、全血輸血と成分輸血とに差は認められなかった。
全血の利点を探求してきた近年の流れに対して再考を促すネガティブ結果である。


