高流量酸素は急性呼吸不全患者の挿管リスクを低下させるが死亡リスクは低下させない:SOHO試験
High-Flow or Standard Oxygen in Acute Hypoxemic Respiratory Failure
背景
高流量鼻カニューラ(HFNC; ネーザルハイフロー, 高流量酸素療法)は、低酸素性急性呼吸不全における挿管リスクを、標準酸素療法と比較して低減する可能性があるが、死亡率まで改善するかどうかは明確ではない。
フランスCentre Hospitalier Universitare (CHU) de PoitiersのFratらは、同国42ヵ所の集中治療室で、急性低酸素性呼吸不全により入室した成人患者を対象として、高流量酸素療法、または標準酸素療法をランダムに割り付け、28日死亡率を比較する多施設共同非盲検試験(SOHO)を実施した(n=1,116)。
結論
28日死亡率は、高流量酸素群で14.6%、標準酸素群で14.6%と、差がなかった(-0.05パーセントポイント)。
28日目までの挿管率は高流量酸素群で42.4%、標準酸素群で48.4%と、高流量酸素群で有意な低下が認められた。高流量酸素群の2.3%、標準酸素群の1.1%では、自発呼吸中に重篤有害事象が発生した。
評価
急性呼吸不全患者での高流量酸素は、挿管率を低下させた一方で死亡率には影響しなかった。この結果は、本試験と同じ実施主体によるSOHO-COVID試験とも一致する(https://doi.org/10.1001/jama.2022.15613)。
高流量酸素の生存ベネフィットへの期待は大きく後退したものの、挿管回避のベネフィットはなお臨床的に重要であり、選択された患者では今後も妥当な選択肢とみなされるだろう。


