心不全リスク高齢者に対するエンパグリフロジンの運動耐容能改善能を否定:Empire Prevent Cardiac試験
Empagliflozin and Functional Aerobic Capacity in Individuals with Increased Risk of Heart Failure: The Empire Prevent Cardiac Trial
背景
SGLT2阻害薬(エンパグリフロジン)は、駆出率低下心不全(HFrEF)患者において、最大酸素摂取量(VO2max)を改善させることが知られているが、心不全(HF)を発症していないが、肥満や高血圧などのリスク因子を持つ高齢者においても、同様の運動耐容能改善効果はあるか。
デンマークOdense UniversityのLarsenら(Empire Prevent Cardiac)は、肥満(BMI 28超)かつHFリスク因子を持つ高齢者191名を対象に、180日間のエンパグリフロジン投与が運動耐容能や活動量に与える影響を検証した(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、VO2maxの変化の平均差であった。
結論
エンパグリフロジンの一次アウトカム効果を認めなかった。また、加速度計で測定した1日の身体活動量や生活の質(QoL)スコアにおいても、両群間に有意差はなかった。
評価
このテーマでは、EMPA-TROPISM(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33197559/)とDAPA-VO2(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35604416/)が肯定的結果を示してきている。Empire Prevent Cardiacは確定研究として企画されたもので、否定的結果は驚きである。著者らは、参加者の年齢、ベースラインVO2max、および心エコー上の左室収縮機能の維持(平均LVEF 65%)が結果の違いに影響した可能性を示唆している。ここでの結果が最終結論となるかどうかは不明である。


