心不全LBBB治療における左脚ペーシング(LBBP)の長期的優位性を報告:HeartSync-LBBP試験
Long-Term Outcomes of Left Bundle-Branch Pacing vs Biventricular Pacing in Heart Failure: The HeartSync-LBBP Randomized Clinical Trial
背景
左脚ブロック(LBBB)を伴う重度心不全に対し、両室ペーシング(BiVP)は、冠静脈の解剖学的制約や高い非反応率(約30%)が課題であった。
中国Fudan UniversityのChenら(HeartSync-LBBP)は、VEF<35%の患者200名を対象に、生理的伝導を再現する左脚ペーシング(LBBP)の長期予後改善効果を、BiVPと比較する多施設RCTによって検証した。
一次アウトカムは、全死因死亡または心不全入院(HFH)までの時間であった。
結論
中央値36ヵ月の追跡の結果、BiVPのLBBPに対する優位を認めた:一次アウトカム発生率 28% vs. 8%(HR 0.26)。全死因死亡に有意差はなかったが、HFHリスクを抑制し、LVEFが15%以上改善するスーパーレスポンダーの割合もLBBP群で55%と、BiVP群(36%)を有意に上回った。
評価
この主題に関しては、「非劣性かやや優越」とした中国の先行研究があるが(https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2022.07.019)、より小規模・短期である。中央値3年の追跡でHR 0.26というここでの結果は驚異的で、JAMA Editorialは、この結果が心臓再同期療法(CRT)のパラダイムシフトを予感させる、としている。本試験が非虚血性心筋症患者に偏っている点や、高度技術を持つ施設限定の結果であることは、制限であり、世界的な検証と標準化が不可欠である。


