GLP-1RAは肥満関連がんのリスクにほぼ影響しない:RCTデータのメタ解析
Risk for Cancer With Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonists and Dual Agonists : A Systematic Review and Meta-analysis
背景
グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA, GLP1RA)は、肥満と2型糖尿病(T2D)の治療に高い有効性を示しているが、糖尿病・肥満に関連するがんのリスクを低減する可能性も示唆されている。
アメリカHarvard T.H. Chan School of Public HealthのKoらは、甲状腺がん、膵がん、大腸がん、胃がん、食道がん、肝がん、胆嚢がん、乳がん、卵巣がん、子宮体がん、腎臓がん、多発性骨髄腫、髄膜腫のいずれかのがんアウトカムを報告したプラセボ対照ランダム化試験を特定し、GLP-1RAとの関連を評価する系統レビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
94,245名を登録した48件の試験が含まれた。
GLP-1RAは、甲状腺がん(オッズ比1.37)、膵がん(0.84)、乳がん(0.95)、腎がん(1.12)のリスクにほとんど、または全く影響しないと考えられた(中程度の確実性)。
また、大腸がん、食道がん、肝がん、胆嚢がん、卵巣がん、子宮体がん、多発性骨髄腫、髄膜腫に対して、ほとんど、または全く影響しない可能性がある(低い確実性)。胃がんに対する影響は非常に低い確実性しかなかった。感度分析、サブグループ間でも結果は一貫していた。
評価
甲状腺がん・膵がんに関してはリスク上昇、肝がん、大腸がんなどではリスク低下との関連が想定されていたが、RCTデータを利用したこのメタ解析では、GLP-1RAとがんリスクに明確な関連は認められなかった。
追跡期間の短さもあって最終結論とは言い難いものの、現時点における過度な期待と不安、双方を鎮める結果である。


