デクスメデトミジンは術後せん妄の予防に有効:メタ解析
Effectiveness of drug interventions to prevent delirium after surgery for older adults: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials
背景
大手術の後の患者はせん妄リスクが高く、特に高齢患者では1/4がせん妄を発症するともされるが、薬物療法によってせん妄が予防可能かどうかについては議論がある。
イギリスUniversity of OxfordのLuneyらは、60歳以上の患者を対象として、全身麻酔・局所麻酔を必要とした外科手術後に薬物投与を行い、検証済みのせん妄評価ツールによってアウトカム測定が行われたランダム化比較試験を特定し、ベイズ法ベースのネットワークメタアナリシスを実施した。
結論
158件の試験が特定された。参加者は総計41,084名で、52種類の薬物療法が比較された。全体の術後せん妄リスクは14.5%であった。
バイアスリスクが高くない試験においてせん妄予防に有効であった介入として、デクスメデトミジン(オッズ比 0.46)、コルチコステロイド(0.53)、メラトニン受容体作動薬(0.54)、parecoxib(0.34)、オランザピン(0.27)、経鼻インスリン(0.13)があった。うち、せん妄重症度を軽減したのはコルチコステロイドのみであった(MDASの平均差−2.42)。
ほとんどの介入は入院期間、死亡、認知機能、QOLに影響しなかった。デクスメデトミジン群では低血圧・徐脈が増加したが、術後の悪心・嘔吐は減少した。また、コルチコステロイドによる術後感染率の増加は認められなかった。
評価
デクスメデトミジンは最もよく検証されており、せん妄の予防に有効と考えられたが、死亡や入院期間などには影響を与えなかった。予防的デクスメデトミジンの考慮、あるいはリスク・ベネフィット評価を勧める現行のガイドラインと整合する結果と言えるだろう。
ステロイド、メラトニン受容体作動薬、インスリン、parecoxib、オランザピンは特定のサブグループで有効性を示したものの、より質の高いエビデンスが求められる。


