心血管疾患一次予防のためには、できるだけLDL-Cを下げるべきか
Low levels of atherogenic lipoproteins and incident atherosclerotic cardiovascular disease: A pooled cohort primary prevention study
背景
LDL-C値100 mg/dL未満の「正常範囲内」における低値と高値の長期的動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスク差は。
アメリカYale School of MedicineのFaridiらは、脂質低下療法を受けていない健康成人16,384名を対象に、LDL-C・non-HDL-C・apoB指標と、中央値18.8年にわたる長期的な疾患発症リスクとの関連を評価した。
結論
LDL-Cが70 mg/dL未満の超低値群と70〜99 mg/dLの群間では、長期的ASCVD発症リスクに差は認められなかった。一方、LDL-C 130 mg/dL以上、non-HDL-C 160 mg/dL以上、またはapoB 90 mg/dL以上の群では、リスクが有意に上昇した。この傾向は白人(64.7%)と黒人(35.3%)の両グループで一貫していた。
評価
この問題をテーマ化した初めての本格解析により、ガイドラインで「望ましい」とされる100 mg/dL未満の範囲内であれば、さらなる低値を追求しても一次予防における追加的なリスク軽減効果は限定的である、という結論を導いた。既に疾患を持つ二次予防では「低ければ低いほど良い」とされるが、一次予防においては現在の正常値の閾値を維持することが合理的である。なお、低値群には若年者や黒人、喫煙者が多かった、という。


