残存病変のあるHER2陽性早期乳がんの術後治療、T-DXdがT-DM1を上回る:DESTINY-Breast05試験
Trastuzumab Deruxtecan in Residual HER2-Positive Early Breast Cancer
背景
HER2陽性乳がんでは術前化学療法後に残存する浸潤性病変が予後不良因子とされ、残存病変に基づく術後治療の選択が一般化している。KATHERINE試験以降は、抗体薬物複合体トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)が標準治療となっている(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1814017)。
ドイツGerman Breast GroupのLoiblら(DESTINY-Breast05)は、手術時に残存する浸潤性病変・リンパ節転移病変を有する、または診断時に切除不能病変を有するHER2陽性乳がん患者を対象に、T-DM1またはトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)を割り付け、浸潤性疾患なき生存期間(iDFS)を比較する第3相RCTを実施した(n=1,635)。
結論
iDFSイベントおよび死亡は、T-DXd群の6.2%、T-DM1群の12.5%に報告された(ハザード比 0.47)。3年iDFS率はそれぞれ92.4%、83.7%であった。
最も一般的な有害事象として、T-DXd群では悪心(71.3%)、便秘(32.0%)、好中球数減少(31.6%)、嘔吐(31.0%)があり、T-DM1群ではAST上昇(50.2%)、ALT上昇(45.3%)、血小板数減少(49.8%)があった。治験薬関連の間質性肺疾患はT-DXd群で多く認められ(9.6% vs. 1.6%)、T-DXd群で間質性肺疾患となった2名が死亡した。
評価
残存病変がある高リスクHER2陽性早期乳がんの術後治療において、T-DM1をT-DXdへと置き換えることでiDFSイベントが半減した。
この結果を受け国内でも一部変更承認申請が行われており、新たな治療選択肢として加わる可能性が高いが、肺毒性とのトレードオフをどう考えるかは重要な論点となる。


