健康と地球を守る新指針:北欧栄養勧告2023(NNR23)の効果を確認
Development of the Nordic Nutrition Recommendations 2023 Food-Based Diet Score and Its Association with All-Cause Mortality in Two Swedish Cohorts
背景
2023年に改訂された北欧栄養勧告(NNR23)は、個人の疾患予防だけでなく、温室効果ガス削減などの地球環境(プラネタリーヘルス)への配慮を統合した画期的なガイドラインである。
デンマークAarhus UniversityのDahmらは、この新勧告に基づいた食品ベースの食事スコアを開発し、スウェーデンの二つの大規模男女コホートを用いて、推奨される食事パターンの遵守が全死亡リスクに与える影響を長期前向調査した。
結論
約8万9千人を平均18.8年間追跡した結果、NNR23スコアが高い(10点超)グループは、低いグループ(8点未満)に比べ全死亡リスクが23%低かった。さらに、複数回の調査に基づく長期的な平均食事摂取量で評価した場合、最高遵守群の死亡リスクは62%低下しており、心血管疾患やがんによる死亡でも同様の傾向が確認された。
評価
NNR23の効果を初めて大規模検証して、環境負荷の低い食生活が同時に人間の長寿に直結することを客観的数値で示した。著者らは、全粒穀物や野菜、魚、ナッツ類の摂取による食物繊維やω-3系脂肪酸の恩恵が、炎症抑制や代謝改善を通じて死亡率を下げたとしている。
NNR23は従来の栄養素ベースから「食品ベース」へとシフトし、赤肉の制限や植物性食品の推奨を強化した点が特徴である。研究グループは、15項目に及ぶ食品成分を連続的なスコアで評価することで、自己申告データの誤差を抑えつつ、より現実に即した解析を実現した。


