妊娠関連脳卒中の1/4はタイムリーな診断を受けていない
Identifying Missed Diagnostic Opportunities in Maternal Stroke
背景
妊婦および出産直後の女性が脳卒中を発症する頻度は高くはないが、非特異的症状を呈することがあり、見逃しのリスクがある。
アメリカColumbia UniversityのHaghighiらは、2012年から2021年にアメリカの包括的脳卒中センター5施設で、動脈性虚血性脳卒中・脳内出血・くも膜下出血・脳静脈血栓症と確認され治療を受けた18歳から50歳までの妊婦、または妊娠後1年以内の患者(n=135)を対象とした後向研究を行い、診断機会の見逃しについて調査した。
結論
症状としては、局在神経学的徴候(57%)、頭痛(53%)、全身症状(26%)、意識障害(19%)があった。
37名(27%)に診断機会の見逃しが認められた。
診断機会が見逃された患者では、出血性脳卒中の割合が59%で、見逃しのなかった患者での43%よりも高かった。また、見逃された患者の多くでは、診断前1ヵ月以内に医療機関を受診した記録があった(92% vs. 59%)。脳卒中以前に医療機関を受診していた患者86名のうち、半数(49%)は産婦人科医によって、3割(29%)は救急医によって評価が行われた。
見逃し例の95%では脳卒中の典型的な臨床所見と判断されたが、症状認識の失敗(84%)と適切な神経画像検査の省略(81%)が見逃しに寄与した。
評価
妊娠関連脳卒中患者の1/4が、1ヵ月以内に関連する症状で医療機関を受診しながら、診断機会を逸していたことを明らかにした。
著者らは、神経学的診療のトレーニングの有無が見逃しにつながっているとして、臨床医の教育や意思決定支援ツールの開発を提案している。


