血栓回収療法前の脳梗塞患者で頭部挙上は避けるべき:ZODIAC試験
Optimal Head-of-Bed Positioning Before Thrombectomy in Large Vessel Occlusion Stroke: A Randomized Clinical Trial
背景
頭位と脳灌流には綿密な関連があり、頭蓋内圧が問題となる病態では頭部挙上の有益性が期待される一方で、虚血性脳卒中、特に主幹動脈閉塞(LVO)では水平寄りの体位にすることで脳血流量が改善するという示唆がある。ただし、脳卒中急性期での頭位について検証したランダム化比較試験、HeadPoST試験では0°の臥位と30°の頭部挙上で差は認められなかった(https://doi.org/10.1056/NEJMoa1615715)。
アメリカUniversity of Tennessee Health Science CenterのAlexandrovら(ZODIAC)は、同国12施設の、発症24時間以内で、血栓回収療法の適応があるLVO患者に対し、0°または30°の頭位を割り付け、血栓回収療法前の臨床的安定(NIHSSの2ポイント以上の悪化の有無)を比較するRCTを実施した。
結論
2回目の中間解析時点で、試験は中止基準を満たし登録は終了した(n=92)。
30°群ではNIHSSの2ポイント以上の悪化が多くみられたのに対し、0°群では安定していた(ハザード比 34.40)。4ポイント以上の悪化は、0°群の1名と30°群の20名で認められた(ハザード比 23.57)。
院内肺炎を発症した患者はおらず、全死因死亡は0°群の2名(4.4%)、30°群の10名(21.7%)で発生した。
評価
血栓回収前のLVO患者では、頭側挙上によって症状が悪化し、死亡も増加した。
HeadPoST試験の結果もあって急性期脳梗塞の体位について明確な推奨は行われてなかったが、頭側挙上の有害性が明確に示されたことで、重症例では水平体位が基本となるだろう。


