ニューロフィラメント軽鎖(NFL)は心停止後の長期予後を高精度で予測する
Blood biomarkers for the prediction of outcome after cardiac arrest: an international prospective observational study within the Targeted Hypothermia versus Normothermia after Out-of-Hospital Cardiac Arrest (TTM2) trial
背景
心停止後の患者では、脳損傷マーカーによる神経学的予後の予測が有用と考えられており、ガイドラインで提案されている神経特異エノラーゼ(NSE)に加えて、S100、ニューロフィラメント軽鎖(NFL)、タウ、グリア細胞繊維性酸性タンパク質(GFAP)などが候補として存在する。
スウェーデンLund UniversityのMoseby-Knappeらは、心原性または不明な原因による院外心停止後の成人昏睡患者(n=1,850)を対象に低体温療法(33°C)と正常体温療法(発熱の治療のみ)を比較した国際共同ランダム化比較試験(TTM2試験)の一貫として、集中治療室入室後0〜72時間時点で採取された血清サンプルを用いてNSE、S100、NfL、GFAPの機能的アウトカムの予測能を比較し、そのカットオフ値を決定する前向バイオマーカー研究を実施した(n=932)。
結論
51%の患者が、修正ランキンスケール4-6の不良アウトカムとなった。
入室後0時間、24時間、48時間、72時間時点でのNFLは、受信者動作特性曲線下面積(AUROC)それぞれ0.77、0.92、0.93、0.93で機能的アウトカムを予測した。GFAPのAUROCは各時点0.74、0.87、0.87、0.87であり、NSEは0.61、0.78、0.85、0.86、S100は0.74、0.84、0.79、0.78であった。
NFLは、AUROCが二番目に高いGFAPとの比較でも、24〜72時間時点で有意に高い精度が認められた。
評価
NSEに変わる本命候補とされてきたNFLであるが、TTM2試験におけるこのバイオマーカー検証で、他を上回る予後予測パフォーマンスを示した。特に、24時間時点でAUROCが0.9を上回っている点は注目に値する。
最新のAHAガイドラインでは、NFLを新たに心停止後ケアのバイオマーカーとして明示しているが(https://doi.org/10.1161/CIR.0000000000001375)、本データはこうした流れに裏付けを与えるものと言える。


