膵がんの新たなバイオマーカー2種 既存候補と併せて高い精度示す
Improving a Plasma Biomarker Panel for Early Detection of Pancreatic Ductal Adenocarcinoma with Aminopeptidase N (ANPEP) and Polymeric Immunoglobulin Receptor (PIGR)
背景
膵管腺がん(PDAC)は初期症状に乏しいため、治癒的治療が不可能な段階で発見されることが多く、予後不良の一因となっている。早期発見を可能にすべく、これまで糖鎖抗原19-9(CA19-9)などのバイオマーカーが提案されてきた。
アメリカUniversity of PennsylvaniaのKrusenらは、同大学およびMayo Clinicの血漿プール検体に対して質量分析法・ELISA法による分析を実施し、I期・II期PDACではアミノペプチダーゼN(ANPEP)と多量体免疫グロブリン受容体(PIGR)が増加していることを特定した。さらにPennsylvania(n=135)およびMayo(n=537)の第2相後向研究において、様々なステージのPDACと健康・非悪性腫瘍対照者におけるANPEP、PIGRのパフォーマンスを、CA19-9、トロンボスポンジン2(THBS2)の過去データとともに検証した。
結論
PennsylvaniaとMayoコホートでの受信者操作特性曲線下面積(AUC)は、ANPEPで各0.78、0.80、PIGRで各0.81、0.86であった。CA19-9・THBS2に、ANPEP、またはPIGR、およびその両方を加えた場合のAUCはPennsylvaniaで0.94-0.96、Mayoで0.97であった。4マーカーパネルを用いた場合、I-II期PDACと非悪性腫瘍疾患のAUCは0.87、I-IV期PDACと非悪性腫瘍疾患のAUCは0.91であった。
特異度を95%としたCA19-9(35 U/mL以上)、THBS2(42 ng/mL以上)、ANPEP(2,995 ng/mL以上)、PIGR(1,800 ng/mL以上)からなる血漿バイオマーカーパネルの閾値は、I-IV期PDACで感度91.9%、I-II期PDACで感度87.5%を示した。
評価
ANPEP・PIGRという新たなバイオマーカー候補を特定し、既存の候補に加えることで高い感度が見込めることを示した。
膵がんバイオマーカーを改善する提案だが、あくまで後向研究であり、未診断コホートでの前向検証が不可欠となる。


