低炭水化物・低脂肪食と冠動脈疾患リスク:食事の「質」が健康インパクトを決める
Effect of Low-Carbohydrate and Low-Fat Diets on Metabolomic Indices and Coronary Heart Disease in U.S. Individuals
背景
低炭水化物食(LCD)や低脂肪食(LFD)が普及しているが、それらの健康影響に「質」が果たす役割は。
アメリカHarvard T.H. Chan School of Public HealthのSunらは、同国の大規模コホート(HPFSの42,720名、NHSの64,164名、NHSIIの91,589名)を対象に、マクロ栄養素(macronutrients)の供給源や質の異なる食事パターン、および客観的な代謝物指標と冠動脈疾患(CHD)リスクとの関連を長期前向調査した。
結論
5,248,916人年(20,033件のCHD発生)の追跡調査の結果、健康的なLCDはCHDリスクを15%低下させ、健康的なLFDは13%低下させた一方、不健康なLCDは14%、不健康なLFDは12%リスクを増加させた。健康的なパターンは、トリグリセリドの低下や特定の代謝物(3-インドールプロピオン酸[IPA]の増加等)を介してリスク低減に寄与していた。
評価
特定の栄養素を極端に制限するのではなく、質の高い食品ソースを優先することが心臓の健康維持において最も重要であることを確認した。結論は常識的だが、食事頻度調査(FFQ)に加え、血中の代謝物スコアを用いた客観評価によっても一貫した結果が得られた点が、栄養疫学における大きな前進である。ここでの「健康な」LCDは、植物性タンパク質を重視し、「不健康な」LCDは、動物性タンパク質・精製糖・飽和脂肪酸を多く含む。他方、「健康な」LFDは全粒穀物・果物・野菜を重視し、「不健康な」LFDは精製炭水化物・添加糖・フルーツジュースを多く含む。


