オピオイド使用障害患者に徐放性ブプレノルフィンを救急投与する
Emergency Department-Initiated Buprenorphine for Opioid Use Disorder: A Randomized Clinical Trial
背景
過去数年では改善局面にあるものの、オピオイド・クライシスは依然としてアメリカの公衆衛生における大問題である。救急外来のオピオイド使用障害(OUD)患者に対しては救急からの治療開始が重視されており、ブプレノルフィンの処方が一般的に行われている(https://doi.org/10.1001/jama.2024.27976)。
アメリカYale School of MedicineのD'Onofrioらは、同国29施設の救急医療センターにおいて、未治療のOUDを有し、軽度以上のオピオイド離脱症状(COWSスコアが4以上)を呈する成人患者に対し、徐放性ブプレノルフィン注射剤、または標準的なブプレノルフィン舌下錠を割り付け、7日目時点でのOUD治療プログラム参加への影響を評価するRCTを実施した(n=2,000)。
結論
患者の年齢は中央値37歳、68%が男性であった。31%は初期のCOWSスコアが4-7(軽度)の離脱症であり、76%がフェンタニル陽性であった。
OUD治療への参加率は、徐放性ブプレノルフィン群で40.5%、舌下ブプレノルフィン群で38.5%であった(調整差 1.6%)。30日時点での参加率も同様であった。
離脱症状は稀であり、徐放性ブプレノルフィン群で0.6%、舌下ブプレノルフィン群で0.8%に認められた。また30日以内のオーバードーズは両群とも2.3%に認められた。
徐放性ブプレノルフィン群では、7日目時点でのオピオイド欲求スコアが低く(26.5 vs. 30.2)、違法オピオイドの使用日数も減少(平均比0.77)、治療満足度も高かった(平均差0.13)。
評価
舌下錠処方では投与タイミングによる離脱症状、さらに自己管理の失敗や転売なども問題としてあり、徐放性製剤はこうした障壁の克服が期待されていた。
本試験では、いずれのタイプであれ治療プログラムへの参加率は高いと言えなかったものの、オピオイド欲求や違法なオピオイド使用が抑制された点など、徐放性注射剤の利点も示唆された。


