ホルモン避妊薬の乳がんリスクは特定の薬剤で大きい?:スウェーデン
Hormonal Contraceptive Formulations and Breast Cancer Risk in Adolescents and Premenopausal Women
背景
避妊薬に含まれるエストロゲン・プロゲスチンは乳がんリスクのわずかな上昇と関連することが報告されている。ただし、プロゲスチン単独避妊薬、混合避妊薬のリスクが異なるかどうかは十分明らかにされていない。
スウェーデンUppsala UniversityのHadizadehらは、同国の国家規模レジストリから、2006年に同国に居住しており、婦人科がん・卵巣摘出の既往、不妊治療歴のない13歳から49歳の女性全員を対象として、集団ベースコホート研究を実施し、ホルモン避妊薬の使用歴・期間と非浸潤性乳管がん・浸潤性乳がんの発症率の関連を推定した(n=2,095,130)。
結論
計21,020,846人年の追跡期間中に、16,385件の乳がんが発症した。
ホルモン避妊薬の利用は乳がんリスクの増加と関連しており(ハザード比 1.24)、利用者7752名あたり1件の乳がん増加に相当した。混合製剤(1.12)、プロゲスチン単独製剤(1.21)とも関連が認められた。
経口デソゲストレル単独製剤(1.18)、経口デソゲストレル配合製剤(1.19)、デソゲストレル代謝物エトノゲストレルを含む避妊インプラント(1.22)は高いリスクと関連し、レボノルゲストレル配合ピル(1.09)、レボノルゲストレル放出子宮内システム(1.13)はわずかなリスクと関連した。
一方で、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル注射剤、エトノゲストレル避妊リング、経口ドロスピレノン併用療法は、使用者数が多かったものの有意なリスク増加は認められなかった。
評価
スウェーデン全国をカバーする大規模コホートから、避妊薬と乳がんリスクとの関連が製剤によって異なること、デソゲストレル、特にプロゲスチンの含有が高いリスクと関連することを示した。
絶対リスクは非常に小さく、また避妊薬と卵巣がん・子宮体がんリスク低下との関連もよく知られていることから、過度に恐れる必要はないものの、利用者に対するリスクプロファイルの提供は不可欠である。


