減量後の運動習慣は食後GLP-1の分泌を促進する:S-LITE試験二次解析
One Year of Exercise After Weight Loss Increases Postprandial GLP-1 Secretion in Contrast to Usual Activity or GLP-1 Receptor Agonist Treatment
背景
肥満者の減量後には食欲が増し、リバウンドが起こりやすく、GLP-1分泌低下がその一因とされるが、運動がGLP-1の分泌に与える長期的影響は。
デンマークUniversity of CopenhagenのTorekovら(S-LITE)は、肥満成人195名を対象に、8週間の低カロリー食事療法による減量(平均13.1kg減)後、1年間の運動習慣が食欲抑制に重要な食後後半(90〜180分)のGLP-1分泌にどう影響するかを検討した。
結論
1年間の運動継続は、通常の活動維持と比較して食後後半のGLP-1分泌反応を25%有意に増加させた。運動群内では分泌量が37%上昇したが、GLP-1受容体作動薬(リラグルチド)投与群や通常活動群ではこのような増加は認められなかった。この運動によるGLP-1の自然な分泌促進は、減量後の食欲増進を抑え、リバウンドを防止する有効なメカニズムであることが示唆された。
評価
GLP-1RA治療への運動併用の有益性を示したNEJM掲載S-LITE主要結果(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2028198)に対する追加解析である。低カロリーによる減量後に、「運動」という非薬理的な手段で内因性GLP-1を増加させ、体重リバウンドを抑止し得ることを示した。ここでの「運動」は、週合計150分の中強度運動、または75分の高強度運動(あるいはそれらの組み合わせ)で、主にスピンバイクなどの有酸素運動である。著者らは、運動が消化管通過時間を変化させ、L細胞が豊富な小腸遠位部へ栄養を届けることで後半の分泌を促す可能性を指摘している。
>ただし、GLP-1受容体の感受性変化や65歳以上の高齢者における効果については、さらなる研究が必要である。


