経口PCSK9阻害薬enlicitide登場:CORALreef Lipids試験
A Placebo-Controlled Trial of the Oral PCSK9 Inhibitor Enlicitide
背景
強力なLDL-C低下薬PCSK9阻害薬は、これまで注射剤に限られていた。
アメリカUT Southwestern Medical CenterのNavarら(CORALreef Lipids)は、心血管疾患の既往を有するか、高リスクの成人2,909名を対象に、新規経口PCSK9阻害薬enlicitideの長期的な有効性・安全性を検証する第3相RCTを実施した。
一次エンドポイントは、ベースラインから24週までのLDL-C値の変化であった。
結論
Enlicitideの一次エンドポイント効果を認めた:+3.0%(プラセボ) vs. −57.1%(enlicitide)。この効果は52週時点でも維持され、ApoB・Lp(a)値も有意に低下した。また、enlicitide群の67.5%がLDL-C値55 mg/dL未満かつ50%以上の低下という目標を達成した。有害事象の発生率に群間差はなかった。
評価
Merckによるユニークな「抗体模倣的」環状ペプチド薬である。経口投与という巨大なアドバンテージをもち、また他の経口非スタチン薬を上回るLDL-C低下率を示している。FDA承認は確実とみられるが、現在、LDL-C低下効果が心血管イベント抑制効果に直結するかを検証するアウトカム試験CORALreef Outcomesが進行中であり、その結果が待たれる。


