発症24時間以内の脳底動脈閉塞にTenecteplaseが有効:TRACE-5試験
Tenecteplase versus standard medical treatment for basilar artery occlusion within 24 h (TRACE-5): a multicentre, prospective, randomised, open-label, blinded-endpoint, superiority, phase 3 trial
背景
EXPECTS試験は、軽症の後方循環系の虚血性脳卒中に対しても血栓溶解療法の治療ウィンドウの拡大(24時間)が有益であることを示している(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2413344)。同試験は血栓溶解薬としてアルテプラーゼを用いていたが、次世代薬であるtenecteplaseはどうか。
中国Capital Medical UniversityのXiongらは、同国66ヵ所の脳卒中センターで、発症・最終健常確認時刻から24時間以内の脳底動脈閉塞患者を対象として、tenecteplase(0.25 mg/kg)、または標準的な内科的治療(対照)を割り付け、90日時点での機能的良好アウトカム(修正ランキンスケール [mRS]が0〜1、またはベースラインmRSからの改善)を比較する第3相RCTを実施した(n=452)。
結論
49%の患者はその後、血栓回収療法を受けた。また、対照群の患者では35%でアルテプラーゼが使用された。
mRSが0-1、またはベースラインから改善した患者の割合は、tenecteplase群で38%、対照群で29%と、tenecteplaseによって有意に改善した(調整相対率 1.50)。
36時間以内の症候性頭蓋内出血は、tenecteplase群の2%、対照群の3%に認められた(0.58)。90日死亡率は両群で同程度であった(29% vs. 31%)。また、90日時点でmRSが5-6であった患者の割合も同程度であった(37% vs. 39%)。
評価
血栓回収療法が予定される症例も含む脳底動脈患者を対象にしたこの検証では、tenecteplase群での有意なアウトカム改善が認められた。
Tenecteplaseは現在まで国内未承認だが(https://doi.org/10.2491/jjsth.36.414)、医師主導治験であるT-FLAVOR試験がアルテプラーゼを上回る成績を発表しており、承認への期待が高まっている。


