食品保存料はわずかながんリスク上昇と関連か
Intake of food additive preservatives and incidence of cancer: results from the NutriNet-Santé prospective cohort
背景
保存料は、食品の腐敗を防ぎ賞味期限を延長する目的で一般的に用いられる食品添加物である。一部の保存料には動物実験レベルで細胞毒性や細胞増殖促進といった発癌作用が、また天然食品にも含まれる一部の保存料成分ではがんリスク低下との関連が指摘されいている。
フランスUniversité Sorbonne Paris NordのHasenböhlerらは、2009年に開始された前向コホート研究、NutriNet-Santéにおいて、ベースライン時の保存料摂取量(24時間の食事記録を半年間隔で複数回実施)から推定された累積摂取量とがん発症率との関連を検討した。
結論
がん診断歴のない15歳以上の参加者、計105,260名が対象となった。年齢は中央値42.0歳、78.7%が女性であった。このうち4,226名ががんの診断を受け、うち1,208名は乳がん、508名は前立腺がん、352名は大腸がんであった。
酸化防止剤以外の保存料の総摂取量は、全がんリスク(ハザード比 1.16)・乳がんリスク(1.22)の上昇と関連した(ハザード比 1.16)。
ソルビン酸カリウムなどのソルビン酸、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸塩、酢酸、エリソルビン酸ナトリウムが、全がんリスク・乳がんリスク・前立腺がんリスクなどと関連した(ハザード比の範囲 1.11-1.32)。
調査された17種の保存料のうち、11種ではがん発症率との関連を認めなかった。
評価
一般的な食品保存料の一部に、がんリスクとの正の関連が認められた。ただし、多変量モデルによって交絡因子の調整が行われているとはいえ、残存する交絡を排除することはできない。
広範に利用されている添加物であり、ショッキングな結果であるものの、まずは本研究で特定された関連が真の関連なのかを見極める必要があろう。


