経口セマグルチドは心不全既往のある2型糖尿病患者の心不全イベントを抑制する:SOUL試験二次解析
Oral Semaglutide and Heart Failure Outcomes in Persons With Type 2 Diabetes: A Secondary Analysis of the SOUL Randomized Clinical Trial
背景
SOUL試験は、心血管疾患(CVD)高リスクの2型糖尿病(T2D)患者に対する経口セマグルチドが、主要心血管イベント(MACE)を抑制することを示したが、ベースラインの心不全(HF)の有無やサブタイプ(駆出率の保持・低下)によって、HFに関連する臨床アウトカムにどのような差異が生じるのか。
アメリカOregon Health & Science UniversityのPop-Busuiらは、これを評価するSOUL試験の二次解析を実施した(n=9,650)。
結論
平均47.5ヵ月の追跡の結果、ベースラインでHF既往のある群(23.1%)において、経口セマグルチドはプラセボに対しHF複合アウトカム(HF入院・緊急受診・心血管死)のリスクを22%有意に低下させた(HR 0.78)。特にHFpEF患者では41%のリスク低減(0.59)が認められたが、HFrEF群やHF既往のない群では有意な抑制効果はみられなかった。
評価
経口GLP-1受容体作動薬がHF既往、特にHFpEFを合併するT2D患者に対して、心血管保護効果だけでなく、HF悪化の防止に寄与することを示した。注射製剤で確認されている効果が、経口製剤でも確認された意義は大きい。HFrEFと比較してHFpEFで顕著な効果がみられた背景として、GLP-1製剤が持つ微小血管機能の改善や抗炎症作用が、HFpEF特有の病態により適合した可能性がある。著者らは、SGLT2阻害薬などの標準治療に上乗せ使用しても、重大な副作用を増やすことなくベネフィットが得られた点を強調している。


