成人の急性単純性虫垂炎の保存的治療、10年再発率は4割:APPAC試験の10年結果
Antibiotic Therapy for Uncomplicated Acute Appendicitis: Ten-Year Follow-Up of the APPAC Randomized Clinical Trial
背景
APPAC試験は、フィンランド6施設の、CTにより単純性と確認された急性虫垂炎患者(n=530)に対して、虫垂切除術、または抗菌薬治療(3日間のertapenem静注後、1週間の経口レボフロキサシン・メトロニダゾール)を割り付けたランダム化比較試験であり、抗菌薬群のうち1年以内に27.3%、5年以内にさらに16.1%が虫垂切除を要したことを報告している。
フィンランドTurku University HospitalのSalminenらは、同試験の抗菌薬群における虫垂炎再発率についての10年フォローアップ結果を報告した。
結論
10年間で病理組織学的に確認された真の虫垂炎再発は37.8%、累積虫垂切除率は44.3%であった。
10年累積合併症率は虫垂切除群の27.4%に対して、抗菌薬群では8.5%であった。また、虫垂切除群と抗菌薬群のQOLに有意な差は認められなかった(両群とも中央値1.0)。
評価
アメリカのCODA試験と並び保存的治療の位置づけを確立した試験であり、この10年結果では抗菌薬群の4割超が手術を要すること、一方で抗菌薬群では合併症が少なく、QOLは両群同等であることを確認した。
治療失敗のリスクが適切に考慮されれば、保存的治療は十分に合理的な治療選択肢として成立する。


