脂質値正常域者の長期心血管リスクを検証
Low Levels of Atherogenic Lipoproteins & Incident Atherosclerotic Cardiovascular Disease: A Pooled Cohort Primary Prevention Study
背景
最新の脂質低下療法を受けていない健康成人の長期リスクは。
アメリカYale UniversityのFaridiらは、3つのコホートデータを統合し(16,384名、平均年齢52歳)、若年・中年期からの脂質レベルと約19年にわたる長期リスクの関係を検証した。動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)イベントと、ベースラインのLDL-C・non-HDL-C・apoBレベル(正常低値を含む)の関連を評価した。
結論
ベースラインLDL-C 70 mg/dL未満の成人のASCVDリスクは70〜99 mg/dLの層と同等であった(aHR 1.16)。一方、130 mg//dL以上の層ではリスクが有意に上昇した(1.31)。non-HDL-C 160 mg/dL以上やApoB 90 mg/dL以上の成人でも同様の高リスクが認められ、正常範囲内に脂質を維持することが一次予防において重要であることが確認された。
評価
一次予防における脂質指標とASCVDリスクの非線形性を確認した研究だが、このような成人においてLDL-C 100 mg/dL未満という現行の「正常値」の妥当性は支持している。臨床的には、一次予防の段階では、「低ければ低いほど良い」という薬物療法の原則とは異なる可能性が示唆される。この解析では白人/黒人人種バランスがとられているが、アジア人は対象外である。


