あいさつはICUスタッフのバーンアウトを減らせるか:Hello試験
Positive communication for decreasing burnout in intensive-care-unit staff: a cluster-randomized trial
背景
集中治療室(ICU)スタッフは、高い不確実性と肉体的・精神的負荷の中で働いており、他領域と比して高いバーンアウト率が報告されている。コミュニケーションと職場環境改善の支援は、ICUバーンアウト問題に対する有効な介入となりうるか?
フランスParis-Cité UniversityのAzoulayら(Hello)は、世界60ヵ国370のICUを、ポジティブでサポーティブな職場環境を促進するバンドル(Hello Bundle)の導入、または介入なしへと割り付け、介入期間後のバーンアウト(Maslach Burnout Inventory)の有病率を比較するクラスターRCTを実施した。
Hello Bundle群では、30日間にわたってポスター、メールによるリマインド、朝礼での挨拶、ロールモデリング(リーダーによる実演)、そして掲示板へのポジティブなメッセージが使用された。
結論
介入期間以前のバーンアウト有病率は59.4%で、群間差はなかった。
介入後のバーンアウト有病率は、介入群で52.2%、対照群で63.3%と介入により有意に低下した(調整オッズ比 0.56)。
Maslach Burnout Inventoryのサブスケールスコアのうち、介入群では情緒的消耗感と脱人格化のスコアが低下し、個人的達成感が高かった。さらに介入群のスタッフは、職業満足度、職場安全性、組織の倫理風土、患者/家族中心のケアが良好であると報告し、離職の検討も少なかった。
評価
コミュニケーションの促進を通じて職場環境をよりポジティブでサポーティブなものに改善する一連のバンドルは、バーンアウト率を引き下げ、それに伴って職務への満足度や倫理風土なども好転させた。
いずれバンドル要素も比較的実装が容易であり、応用性は高いが、ポジティブな文化が職場環境にある構造的問題を代替するものではない点は留意する必要がある。


