T-DXdが進行・転移HER2乳がんのファーストライン有効性を示す:DESTINY-Breast09試験
Trastuzumab Deruxtecan plus Pertuzumab for HER2-Positive Metastatic Breast Cancer
背景
抗体薬物複合体の登場はHER2陽性乳がんの治療を大きく変化させているが、転移・再発例での一次治療についてはMARIANNE試験のトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)が有効性を示せずに終わっている。
アメリカDana-Farber Cancer InstituteのTolaneyら(DESTINY-Breast09)は、世界279施設の、転移性疾患に対する前治療歴のない転移・再発HER2陽性乳がん患者を、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)+ペルツズマブ、T-DXd+プラセボ、タキサン系薬剤+トラスツズマブ+ペルツズマブ(THP, 対照群)の3群へと1:1:1で割り付け、無増悪生存期間を比較する第3相RCTを実施した。
結論
指定されたイベント数に基づくこの中間解析では、T-DXd+ペルツズマブ群とTHP群のデータが解析された。
無増悪生存期間(中央値)は、T-DXd+ペルツズマブ群40.7ヵ月、THP群26.9ヵ月であった(ハザード比 0.56)。
奏効率はT-DXd+ペルツズマブ群で85.1%、THP群で78.6%であり、奏効持続期間(中央値)はそれぞれ39.2ヵ月、26.4ヶ月であった。各治療の安全性プロフィールは既知のものと一致しており、グレード3以上の有害事象はT-DXd+ペルツズマブ群の63.5%、THP群の62.3%で発生した。
評価
日本を含む国際第3相試験により、転移未治療のHER2陽性乳がん患者におけるT-DXdの有効性を確立した。
本結果に基づき既にアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を受けており、日本でも申請が行われている。この集団における標準治療の一部となるだろう。


