ctDNAモニタリングで膀胱全摘後のアテゾリズマブ治療を決定する:IMvigor011試験
ctDNA-Guided Adjuvant Atezolizumab in Muscle-Invasive Bladder Cancer
背景
筋層浸潤性膀胱がんに対する標準治療は膀胱全摘除術であるが、半数の患者では再発がみられ不良な予後と関連する。術後補助アテゾリズマブを検証したIMvigor010試験では有意な効果は示されなかったものの、その探索解析において、循環血中の腫瘍DNA(ctDNA)陽性群でのベネフィットが示唆されていた(https://doi.org/10.1016/j.eururo.2023.06.007)。
イギリスQueen Mary University of LondonのPowlesら(IMvigor011)は、世界24ヵ国、157施設で、膀胱全摘術後に病変が認められない筋層浸潤性膀胱がん患者(n=761)を登録し、術後1年間、6週ごとのサーベイランスctDNA検査を実施、陽性となった患者(n=250)をアテゾリズマブまたはプラセボによる治療へと2:1でランダム化し、無病生存期間を比較する第3相RCTを実施した。
結論
ランダム化後の無病生存期間(中央値)は、アテゾリズマブ群で9.9ヵ月、プラセボ群で4.8ヵ月であった(ハザード比 0.64)。
ランダム化後の全生存期間(中央値)は、アテゾリズマブ群32.8ヵ月、プラセボ群21.1ヵ月であった(ハザード比 0.59)。グレード3・4の有害事象はアテゾリズマブ群の28%、プラセボ群の22%で発生し、致死的有害事象はそれぞれ3%、2%で発生した(このうちアテゾリズマブ群の2%が治療に関連)。
ctDNA陰性を維持した患者357名では、1年間のモニタリング終了時点での無病生存率が95%、さらに1年後には88%であった。
評価
本試験は、ctDNA陽性となった時点でアテゾリズマブを開始することで再発を遅らせられること、陰性が持続する患者の多くは長期間治療を必要とせず無再発で経過することを実証した。
筋層浸潤性膀胱がんの術後治療を決定するバイオマーカーとして、ctDNAを確立する結果である。


