非石灰化大動脈弁閉鎖不全症に対するTAVI専用Trilogy弁は有望:ALIGN-AR試験
Transcatheter aortic valve implantation with the Trilogy valve for symptomatic native aortic regurgitation (ALIGN-AR): a pivotal, multicentre, single-arm, investigational device exemption study
背景
経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)は通常、大動脈弁狭窄症向けに設計されており、非石灰化大動脈弁閉鎖不全症(AR)には最適化されていない。
アメリカSmidt Heart InstituteのMakkarら(ALIGN-AR)は、この課題に対応するため、手術高リスク・症候性の中等〜重度AR患者700名に対する専用設計弁Trilogyを用いたTAVIの安全性・有効性を評価する多施設共同単群探索的機器規制免除(Investigational Device Exemption: IDE)試験を行った。
一次安全性エンドポイントは、手術後30日以内の主要有害事象(MACE)の複合であった。
結論
Trilogy弁を用いたTAVIは、事前に設定された安全性・有効性目標を達成した。一次安全性エンドポイントは24.0%(目標 40.5%)で、非劣性を達成した。また、1年時点の全死因死亡率は7.7%(目標 25.0%)で、優越性を達成した。
評価
JenaValve Technologyの開発で、非石灰化ARに対し専用設計されたTAVI弁が、実行可能かつ有効な治療選択肢であることを示した画期的報告である。このTrilogy弁は、特有のアンカリング・メカニズムにより、非石灰化弁輪への固定と安定性に優れ、従来のTAVI弁が抱えていた弁移動や弁周囲逆流の課題を克服した、という。実際、30日時点での中等度以上のAR発生率はわずか0.5%であった。ただし、21.6%という高い新規ペースメーカー植え込み率が観察されており、これはTAVIの一般的な合併症ではあるが、今後のデバイス改良や手技の最適化が必要である。長期追跡では、良好な弁機能と心筋リモデリングの改善、機能状態およびQOLの向上が2年まで持続しており、重度AR患者に対する治療戦略を大きく変える可能性を秘めている。


