ベリシグアトはほんとうにHFrEFに効果があるのか:VICTOR試験を再解析
Effect of Vericiguat on Total Heart Failure Events in Compensated Outpatients With HFrEF: Insights From VICTOR
背景
代償性のHFrEF(駆出率低下型心不全)外来患者を対象としたVICTOR試験では、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬ベリシグアトによる一次アウトカム(心血管死または心不全入院)の有意な改善は示されなかった。
フランスCVCT and Universite de LorraineのZannadらは、同試験の探索的解析により、入院だけでなく、外来での悪化を含めた全イベントに対するベリシグアトの効果を評価した(n=6,105)。
結論
外来での心不全悪化(利尿薬開始・強化)は、心不全入院よりも一般的で(59.3%が初回悪化イベント)、死亡リスク上昇と関連していた。ベリシグアトは、入院・外来を統合した全心不全悪化イベントの減少(HR 0.90)および全死因死亡を含む複合一次エンドポイントを減少させる可能性が示された。
評価
本試験での効果幅が小さく、批判が多かったため、外来でのイベントリスクも低下させる、という仮説の下に行われた二次解析で、総イベント解析によって、ベリシグアトの臨床的有用性のエビデンスはより堅固になった、と主張した論文である。依然としてHRは0.9を下回っておらず、疑問を解消したものとはみられない。


