HFmrEFは、「EFが落ちてきた症例は予後が悪い」
Association of Prior Left Ventricular Ejection Fraction With Clinical Outcomes in Patients With Heart Failure With Midrange Ejection Fraction
背景
左室駆出率(LVEF)中等度(40%〜50%)の心不全(HFmrEF)の長期予後は。University of California, San DiegoのBrannらは、同州電子カルテシステムからTTEで同定された同患者448名の3年間データを後向解析した。主要アウトカム・指標は、全死因死亡・全原因入院の複合および心血管因死亡・HF入院の複合である。
結論
LVEFは35.0%の患者で40%未満から改善、50.0%の患者で50%超から悪化し、15.0%の患者で40〜50%にとどまった。40%未満から中等度レベルに改善した患者と比較して、50%超から悪化した患者は、一次アウトカムリスクが高かった(HR:1.34および1.71)。
評価
HFrEFとHFpEFの差異を明確にするために導入されたHFmrEF概念だが、「EFが落ちてきた場合はよくない」という、非常に分かりやすい観点を示した。エビデンスレベルは中等度かそれ以上であろう。