肥大型心筋症に対するaficamtenの効果をUCGで確認:MAPLE-HCM試験
Effect of Aficamten Compared With Metoprolol on Echocardiographic Measures in Symptomatic Obstructive Hypertrophic Cardiomyopathy: MAPLE-HCM
背景
Aficamtenは、新規心筋ミオシン阻害薬で、MAPLE-HCMは、その効果を示す第3相試験であった(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2504654)。
同試験のHegdeら(アメリカBrigham and Women’s Hospital)は、aficamten単剤とメトプロロール単剤の心臓の構造・機能への影響を心エコー検査で比較した同試験の二次分析結果を発表している。
結論
Aficamtenはメトプロロールと比較して、左室流出路圧較差(LVOT-G)を有意に低下させ、左房容積指数(LAVI)を減らし、左室拡張機能および僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM)を改善した。Aficamtenは左室駆出率(LVEF)をわずかに低下させたが、LVOT-G低減における優越性が示された。
評価
NEJM主論文の一次アウトカムはpVO2であり、それへの効果はすでに確立している。この論文は、それに加え複数の心エコー指標でaficamtenがメトプロロールに優ることを示し、oHCMの根本病態生理を直接標化するCMIの利点を裏付けた。AficamtenによるLVEFの軽度低下は作用機序通りだが、心臓バイオマーカーの改善と併存しており、安全性が支持される。今後同薬は、oHCM治療の第一選択薬となる可能性がある。


